「死後事務委任契約」の使い方と注意点まとめ|行政書士が解説
2024/07/14
死後事務委任契約とは、自分が亡くなった後に行政書士や弁護士などの専門家に死後手続きや財産管理、相続手続きなどを委任する契約です。本記事では、そんな死後事務委任契約の具体的な使い方や、注意点について、行政書士が詳しく解説しています。自分自身や家族の将来に備えて、一読する価値があります。
目次
死後事務委任契約とは
死後事務委任契約とは、亡くなった後に残された財産や遺族の手続きなどを相続人が代理する行政書士に任せる契約です。相続手続きや遺産分割協議書の作成、相続税の申告など、書類や手続きが多岐にわたるため、行政書士に代理してもらうことでスムーズに処理することができます。また、相続人が高齢であったり、遠方に住んでいる場合にも、管理や手続きを行政書士が代行することで、遺族の負担を軽減することができます。死後事務委任契約は遺書や遺言とは違い、遺産分割に関わることはできません。相続人が自己申告する場合と比べ、行政書士に委任する場合は、手続きのミスや誤りを防ぐことができるため、安心して任せることができます。相続人の方は、亡くなった後に追われる手続きや書類作成に追われることなく、遺族との時間を大切に過ごすことができます。
死後事務委任契約の作成手順
死後の手続きや事務手続きは、遺族にとって大変なストレスとなります。そこで活用されるのが、死後事務委任契約です。この契約は、亡くなった方が残した遺族による法的手続きを行うためのもので、行政書士の専門分野となっています。 この契約の作成手順は、まず遺族が行政書士に相談します。その後、交渉や助言、手続きに必要な書類作成などの内容や費用の詳細を確認し、遺族が契約書に署名捺印をして、行政書士も同様に署名捺印をします。 契約書には、死後に行うべき手続きや内容が詳細に記載されており、その関係者が誰であるかを明確にします。例えば、遺産分割協議や相続登記申請について、行政書士が代理で手続きを行うことができます。 このように、死後事務委任契約の作成手順は、行政書士が中心となり、遺族との打ち合わせを行い、調整や代理手続きを行うことでスムーズな手続きが可能となります。遺族に代わって、行政書士がしっかりとサポートしてくれる為、安心・確実に必要な手続きを行うことができます。
死後事務委任契約の注意点
死後事務委任契約は、遺族が亡くなった相続人に代わって、相続財産の管理や手続きを行ってもらうための契約です。行政書士が作成する場合もありますが、弁護士が作成する場合もあります。 注意点としては、遺言や相続手続きの内容に関する相続人との間で話し合いをしっかり行い、契約書の内容を明確にすることが大切です。また、委任者には具体的な報告義務を負わせ、手数料の問題も明示しておくことが望ましいです。 さらに、委任者に対するリスクを考慮し、契約書には委任者が適切な保険に加入していることを確認する条項を含めることも重要です。また、契約書の有効期間についても取り決めをし、契約期間内であれば何度でも更新することができるようにしておくことが望ましいです。 以上のように、死後事務委任契約を作成する際には、契約書の内容について十分に話し合い、明確にし、適切な保険に加入することが必要です。行政書士や弁護士に相談することをおすすめします。
死後事務委任契約に含まれるもの
死後事務委任契約は、自分が死後に受けるであろう手続きや、財産の処分などを任せたい人が親しい人や専門家と締結する契約です。この契約に含まれる内容には、遺産分割に関する内容や、遺産の管理者に任命する人物の指定、遺言書の作成や遺贈贈与の決定などが挙げられます。また、司法書士や弁護士などを含めた専門家が専門家の責任で対応することも契約に含まれます。これらの契約が適切に締結されることで、死後に問題が発生することが少なくなります。しかし、それを前提にもしくは締結の際の契約内容から、本人の想定レベルを超えて相続や遺贈が発生してしまった場合は必ずしも解決することができませんので、生前に十分な検討が必要です。
死後事務委任契約と遺言書の違い
死後事務委任契約と遺言書は、どちらも死亡後に当事者の財産や遺産に関する処理を定めた文書ですが、異なる点があります。 遺言書は、自己の財産・遺産について、遺言者の意向どおりに自由に指示をすることができる文書です。一方で、死後事務委任契約は、死亡後に実施される手続きについて、生前に信頼できる者に委任することができる契約書です。 遺言書は、遺言者の生前意向が尊重されるため、家族や親族などと対立した場合にも有効です。一方で、死後事務委任契約は、生前から信頼できる者に委ねることができるため、手続きの負担を軽減できるというメリットがあります。 また、死後事務委任契約は、財産分与や相続税申告などの手続き以外に、埋葬や葬儀などの身内による処理を委任することもできます。 自分の財産や遺産について、細かな意向や手続きを定めた上で、信頼できる者に処理を委ねたい場合は、死後事務委任契約が有効です。一方で、財産分与や相続税についてなどに、自分の意向を記載しておきたい場合には、遺言書を作成しましょう。